ドイツ語を楽しむ会

子どもの「苦難の道」は　前もって決められている。
社会的に弱い家族の子どもにとって　慢性の病気は　特に　
厳しい影響を与える。そういう子には　しばしば　ほとんど
支援がないからである。
Marcelは　ヘッセン市の子ども病院の糖尿病患者。8歳。
日に2回インシュリンの注射をし、食事の時には　炭水化物を
決まった量だけ　食べる。血糖値が目標の範囲内にあるか　
どうか　毎日検査しなければ　ならない。
母親には　合併症の危険について　よく話しでいるのに、
マルセルは　外来に　不定期に　しばしば一人で来る。
年に何度か入院するが　入院中　母親は　めったに見舞いに
こない。父親は　家族と接触を　絶っている。

F氏は　ﾍﾞﾙﾘﾝの糖尿病患者で　38歳。透析を受けている。
Fさんも　子どもの頃から　インスリン注射をしている。
腎臓　目　も　悪くなり　足の指2本は　切り落とされている。
離婚して　一人暮らし。両親とは　子どもの時に　別れ　
今は　何の連絡もない。

病気をもって生まれたり　子どもの頃に慢性の病気になるのは　
それだけで　憂慮すべきことだ。もし　病気の予防と治療が　
可能なのに　その恩恵を受けられないとしたら、そして　
家庭の中で　病気の子どもに　適切な　世話がされないなら　
もっと辛い。
慢性の病気の予後は　関係者の　協力しだいである。
糖尿病は　その典型的な例である。

Robert-Koch研究所は　2003年から2006年までの間
について　ドイツ全土の　子ども・青少年の健康調査をした。
この調査も　社会的い弱い家庭の子どもは　高い社会経済的
地位の家庭の子どもよりも　健康状態が　悪いということを　
示している。

EU諸国では　平均的総所得の60％以下の　家庭は　「貧しい」
とされる。2005年に　ドイツの人口の13.5％は　貧しい。
ドイツの子どもの　16.9％は　貧困である。

マルセルのような子どもは　小学校は出るが、職業教育を
終了することは　ない。なぜなら　糖尿病による障碍のために
　職業生活に　入れないからである。

ドイツでは　小学校へ　毎朝　空腹のまま　行くとか、　14歳の
少年が　放課後　ビールを持って　地下鉄の駅に　座っているのが　
問題である。バイオリンや　バレーを習いにいくのは　問題でない。
自分の子どもを　養育できない親を　社会が援助する　という
　課題が　生まれる。社会は　親の代わりに　なれない。しかし　
親に親の義務を　理解できるようにする方法を　社会は　
みつけなければならない。
下記サイトから：
http://www.sueddeutsche.de/gesundheit/artikel/144/131907/