2008年05月30日

思うにまかせぬ救助者@青少年福祉局inベルリン(連載3)

クラウスの支援業務は 時間あたり費用の観点から承認
されなければならない。
費用についての圧力が強くなり、かつて必要とされた
事が今では もうそうでないと判断されることも多い。
ある地区では 16歳の子どもは今まで施設にいたが、
明日からもう青少年支援の対象ではなくなる。

「ケースマネジャー」と今は 呼ばれているが、この言葉は
彼にとって中傷のように響く。
彼はケースワーカーの状況について 仮名でインターネットに
記事を書いている。(注釈:Sozialarbeiter Blog Berlin 
で検索したら 彼の記事が見つかるかも知れない)
彼も過重労働について訴えをした一人だ。
彼の日常常務は もはや家庭を助けるのではなく、
最悪の事態を避けることだ。日常業務は 非常事態を
救うことだ。

Frischという新しいベルリン市会議員から電話がかかった。
「あなたの記事は素晴らしかった」。記事について
上からの反応は めったにない。その数日後 
FrischはWedding地区を歩いて回った。Frischは
2ヶ月前に 青少年福祉局担当になった。青少年福祉局
は将来 病院のようなものに ならなければ ならない。
ケースワーカーは救助隊員だ。ケースワーカーは診断するが、
それからの治療は専門家がする。彼は20年 
Wedding地区に住んでいる。町を歩いてみて、
その零落ぶりに 愕然とする。

Frischは ケースワーカーの会議に参加した。一人のワーカー
は彼に説明した:
危機的というのは 昨日行ったアパートだった。
ウンチの臭いがした。そこらじゅうに 服が積み重ね
られていて、残飯とゴミの山だった。カーペットは
汚れていた。台所に汚れた食器が積み重なっていた。
冷蔵庫の中はカビだらけ。トイレはウンチまみれ。
こうなり果てたのは 先週 掃除機が壊れたからだと 
母親は言う。

Frischは 50歳代の初めで、クラウスより4歳若いだけ
なのに、まったく違う世代のように感じた。彼には 
90年のドイツ再統一のあと、ある地区で社会教育サービス
を主導する機会があった。その後 青少年福祉局の
局長にもなった。しかし 今 彼は この会議の中で 
異質の人のように見えた。

下記サイトから:
http://www.zeit.de/2008/22/Jugendamt?page=3
  


Posted by jtw at 16:54Comments(0)