2008年05月03日

地下室に24年閉じ込められても普通の生活に戻るチャンスはある

オーストリーで最も有名な児童精神科医で神経科医 
Ernst Bergerのインタビュー:

彼は多くのトラウマをもつ子どもを助けてきた。
かつて 23歳のマリアは養子縁組した親から虐待され、
木の箱に入れられていた。ナターシャは誘拐された。
この二人の治療も彼は担当した。

長年 外界と絶縁され 酷い経験をし、やっと人生で
初めて他人との接触を持つことになった人を どう手伝うか?
他人への信頼を もてるように なることは可能だ。
それは心理的治療の技術の問題である。専門家が 
患者に付き添うことによって 体験を修復することが
問題である。

心理的トラウマの治療において 実地の経験と学問的経
験が 積み重ねられている。まず 犠牲者の精神的・
情動的安定を目指し、トラウマの治療が行われる。第2の
段階で 長期的な心理治療的支援がされる。同時にまた 
孤立してきた人が 普通の生活をする方法を 見つけ
られるように 支援される。
世間と どう付き合うかという 日常生活の知識を 
犠牲者が学習し、獲得するのを 手助けしなければならない。

ある程度 歳をとってから、人付き合いの知識を獲得し、
失った時間を取り戻すことは可能か? ドイツ語の格言に 
「子どもの頃に習わなかったら、大人になっても 
習えない」と言われるが、これは真実でない。遅れても 
別の方法で習える。習うのが 難しいだけのことだ。
常にチャンスはある。
子どもと大人では 酷い経験を頭の中で どう整理するか
という方法が異なるだけで、子どもの方が うまく 
やれるというもものでもない。
成人は克服する際に 頼ることのできる 色々な
経験を既に 持っている。子どもは そうは いかない。
しかし だからと言って、子どもは不利かというと
そうではない。道は色々あるのだから。

木の檻に入れられた少女マリアも誘拐されたナターシャも 
専門家が付き添い 支援すれば 独立自尊の生活
に戻ることは可能だ。
まったく過去からの影響が無くなり 完治すると
いうわけではないが、足の無いままに生まれても
支援があれば 満足できる生活を送れるように、
トラウマを負った人も 治療すれば まずまずの生活は
できるようになる。(続く)
下記サイトから:
http://www.zeit.de/online/2008/19/amstetten-inzest-interview-berger
  


Posted by jtw at 21:27Comments(0)