2007年11月07日

養育しない家庭へ施設の子どもを連れ戻し計画@Halle市

9月30日に発表されたハレ市の指示書は 養育放棄や
家庭内暴力を受けて 養護施設にいる314人の子ども・
青少年を 全て家庭へ戻すようにと 述べた。
要するに 財政難のため 節約しようという考えだ。
市議会の委員会は 全員一致して この計画に賛成した。
その後 この事が 注目されるようになり ハレ市当局は 
一時的に譲歩することになった。

青少年局局長と市長は 今後 養護施設なしで 済ませたい
意向である。その代わりに 青少年保護事業において 
予防的助言をすることによって 子どもを家庭に留めたい 
というのが その考えだ。
ハレで養護施設にいる子どもの率は ドイツ全国の率よりも 
高い。施設に子どもを入れると 月間3000ユーロ(495000円)
の経費がかかる。経費が多いのは 24時間 交代勤務で 
世話するからである。
今でも 関係者が施設への入所を勧める前に 状況をこまかく
吟味する。学校や医者を調査する場合に 充分な調査が
されなかったら 問題である。麻薬・アルコール・暴力との関連
では 親の特異な振る舞いが問題になる。
ほったらかしにされたり 屈辱的な扱いをされたり 虐待されたり
する子どもは 生まれてから 玩具も与えられたことがなかったり、
一日中 一人ぼっちにさせられていたり、世話されなかったりする。

施設にいる子どもの多くは 家庭内暴力の犠牲者である。
家庭内暴力で警察が 出動した件数の半分以上について 
現場に子どもがいた。去年1年で Sachsen-Anhalt州で 
457人の子どもが虐待や 性的暴力の犠牲者になった。
その大半は 「社会的に近い範囲」での虐待だった。

「自主的に」施設に入る場合(入所者の約2/3)は社会教育
担当者と 話し合った上で 入所する。親は 施設に子どもが
いる間 子どもの教育と関わっている。施設での滞在期間中 
半年に一度 状況は 吟味される。
入所する子どもの約1/3は 少年刑務所から施設に 入れられる。
司法上によって 施設にいくように指示された 子どもである。
ということは このハレの指示書に従うとすると、法律に違反
することになる。

ハレ市では 施設での 子どもの経費は 全国平均より
20%も多い。
ハレの全ての子どものうち 約30%は 最低生活費で生活
している。7千人の子どもは 親が失業保険を受けている。
ハレは1990年の東西ドイツ合併直後とは 違って 産業の
崩壊から 幾分は 立ち直った。それでも 人口は90年の
33万人から 237000人に減った。失業率は18%。
旧市街地も団地も 4軒に1軒は空家である。ドイツの都市の
経済力ランキングの 一つによると50市中の49位、
もう一つの調査でも 60市中59位である。
下記サイトから:
http://www.faz.net/s/RubCD175863466D41BB9A6A93D460B81174/Doc~E5AD4298CA8C748A5A46F84F411A52C32~ATpl~Ecommon~Scontent.html
★カキコミ人による蛇足:
この記事は 里親について触れていない。市の財政難に
よって 施設を使うのを 止めたいということだけ 書いている。

全国里親会の資料によると(何年におけるデータか 
書かれていないか メモするのを忘れたか)ドイツでは 
里親ケアが42.3% 施設ケアは57.7%。
欧州では ギリシャ スペイン ベルギーが ドイツよりも 
施設ケアの率が 高い。しかし 日本ほど里親ケアの少ない
国は 欧州にはない。
  


Posted by jtw at 17:14Comments(0)