2008年09月01日

欧州のイスラム教徒全てが宗教的に行動しているわけでない

西欧に住み イスラム教の背景を持つ人は 
「イスラム教徒」としてまとめられ 社会的に問題を
起こすグループと 見なされる。イスラム教徒を 不適切に
処遇すると 致命的な結果に至る。
欧州のイスラム教社会の人口は約2400万人で、
欧州全人口の4.6%を占める。
どの社会にも 選ぶべき多くの自己意識がある:
階級、人種、性、性的態度(立場)、世代への所属など。
自己意識について 宗教だけを 重視する必要はない。

1970年代から イスラム教の背景をもつ人々について 
多くの欧州の都市で 社会的問題、犯罪、騒動、暴力、
貧困に関して 報道されてきた。
しかし この問題を宗教的概念で捉えてはいけない。
通常 「イスラム教徒」という言葉は 「欧州に来る前に
イスラム教が支配的な宗教である国々(アフリカやアジア)
に居て そこから 欧州へ来て間もない人々から成る
民族社会の成員」という意味だ。

80年代に英仏の都市は暴力に苦しんだ。騒ぎまわる
人の多くは イスラム教の背景を持っていた。
2001年の夏に英国北部で 騒動があった時、騒いだ
人の多くは パキスタン人かバングラデッシュ人だった。
騒動に宗教上の原因はなかった。

騒動や社会的不和の危険に対処するために、
欧州の諸政府は イスラム教徒を代表すると主張する
グループとの関係を作ろうと努力した。
政府が 宗教的グループを公式の代弁者だと認めた国
では 政府は普通の人を 宗教的・文化的集団の
成員として扱う。そのグループでは 市民・個人としてでなく、
そのグループの成員として権利を持つと いうことに 
なってしまう。
そのうえ、イスラム教の背景を持つ人々は 宗教的な
権威者の命令で 管理されていると 見なされる。
人種的・階級的対立は 宗教的問題にされる。

欧州のイスラム教徒は 宗教の実践において多様性をもつ。
彼らに「イスラーム」というレッテルを貼ることは 民族を
超えた宗教的自己意識を彼らが もっている ような 
感じを他人に与えることになる。それは 諸民族の
同化・適応と対立する。
この記事の著者 Philip Jenkinsは ペンシルベニア州立
大学の歴史学者。「神の大陸?」という著書で 
欧州の宗教危機、イスラム教とキリスト教の将来を論じる。

下記サイトから:
http://www.welt.de/politik/article2029792/Wie_der_Westen_die_Muslime_islamisiert.html



  


Posted by jtw at 14:33Comments(0)