2010年01月15日

ベルリンの壁絵

日本経済新聞2010年1月14日 アートレビューから。
1ページの3/4を使った記事。写真もいいです。

1989年11月9日に崩れた壁には 崩壊前、一部に絵が
描かれていた。描いたのは旧西ベルリンに暮らす 
無名の画家達。

ブランデンブルク門から南に600メーター。ライプチヒ
広場にコンクリートの壁が残る。そこに絵を描いた
のはティエリー・ノアール(51)。ベルリンの壁を最も
多く塗った人として知られている。彼はベルリンに
住むまでは 絵を描いたことがなかった。82年、職を
転々としていたノアールはフランス・リヨンから
西ベルリンに移り住んだ。
西ベルリンは 東独の領土に残された 西独の飛び地で、
壁で隔てられていた。市民には兵役義務がなく、
兵役忌避の若者が次々と集まった。
84年 ノアールはスプレーを手に、壁に向かった。

壁が崩壊するまで、絵をすべて西側の壁面に描かれた。
壁を超えることは東独によって厳しく監視されていたが、
絵を描くことは 半ば黙認されていた。
イラン出身の画家、カニ・アラウィ(53)は東独政府
から壁画作製の許可を得て、90年2月に「崩壊した壁に
殺到する人々」の絵を描いた。

今、観光名所になった壁の絵は 2009年に20年ぶりに
修復作業がされた。当時 絵を描いた画家たちの手に
よって 延べ1.3キロにわたる壁の大半を塗り直した。  


Posted by jtw at 14:50Comments(0)