2007年06月17日

チベットへの役に立たない援助/中国政府からの

中国は大金をチベット開発援助に投じているが 援助プロジェクトは
地元の人を傷つけることが 多い。
監視の公式付添い人なしで 西側の人が チベットを旅することは 
めったに できることではない。
この報告者は ドイツの開発援助組織の職員として 中国で働いていて、
チベット自治区の援助組織の代表者に 会うために 短期間 チベットを
旅した。
貧しい農民のために 町に家を建てるというプロジェクトによって
家は 建てられたが 農民は畑に留まりたいので 新しい家に誰も
住んでいない。
60-70年代にチベットは 人民解放軍の管理下にあり 徹底的に荒らされた
ので 今は侵食作用と氾濫に 見舞われている。中央政府は そのために
大規模な植林を決定した。しかし山には 植林されず その代わりに
農民や遊牧民がいる谷間の畑に 植林された。その方が簡単で 安くつく
からだ。
そういう植林地の一つへ行ったが、農民の誰も どんな木が植えられたか
知らなかった。農民は 畑を失い 植えられた木を引き抜くと罰せられると
いうことだけのことだった。
もう一つの 開発援助の失敗は 学校教育に見られた。
北京政府は多くの村に学校を建て 教師を送りこんだ。
しかし地元民は9年の義務教育の間 授業料を 支払わなければならない。
一月に約18ユーロ(1ユーロは160円)かかる。平均の年間収入は
60ユーロなので 大半の村人にとって これは 支払えそうにない。
1983年以来 この学校の生徒のうちで 中学校に合格した子は 
一人もいない。
国立の学校のある地域に 私立や 宗教立の 学校は許されないので
親も子も 国立へ 行くことに逆らえない。
プロジェクトの計画と実行において 地元のグループに 共同決定権は
ないから 金は かけても 効果は少ない。
こういう援助プロジェクトの代わりに 郡の行政は 職員に公用車を
増やしてやった方が いいのではないかと 報告者は 思った。
トヨタのジープと わずかなロシア製のトラックに 出会っただけだった。
車を増やしても 少なくとも 誰かを傷つけることは ないだろう。
下記サイトから:
http://www.zeit.de/online/2007/24/tibet-reportage?page=1
  


Posted by jtw at 17:17Comments(2)