2008年12月23日

間歇的持続/外山滋比古

十年、十五年と続けてきたのに句作から離れる人が 
ことに女性に目立つといわれる。
勉強家は休み怠ることをおそれ、絶え間なく仕事を
しなくてはいけないように考える。休みなき連続は
不毛に向いやすい。
間歇的持続が大きな力を生む。
学ビテ時ニ之ヲ習ウ亦説(ヨロコバ)シカラズヤである。
一事専念、不休の継続的活動は どこか非人間的で、
息がつまりそうである。だいいち不自然ではないか。
間歇的持続なら 二つ 三つのことを同時に進める
ことなど何でもない。
俳句にしても 不休不眠を心がけて疲れるのである。
休み休みの間歇的精進なら、十年やそこいらは 
夢のうちだ。

以上 月刊「みずず」2008年11月号の表紙の裏から
抜粋。

★ブログ管理人の蛇足:
ドイツ語の会が潰れる直前の2年くらいだったか、
たいへん熱心な会員がいた。
ドイツ語を読んで 毎週 逐語訳を書いてきて、
分からないところを説明してほしいと 言われた。
通信教育の添削のようなのを期待しておられた
ようで、会がつぶれるまで それは続いた。最後の
5年間は 赤字だったから 会員一人 減れば 
また赤字が増えるから 添削も仕方ないかと思って 
引き受けていた。
ドイツ語の一語一語を 日本語に置き換えるのは 
無意味だし、学習法としても 能率が悪いと思って 
そう伝えても 止まらなかった。おそらく 高校や
大学の偉い先生が そうしろと言ったのかも 
知れない。
良くない方法で 勉強を続けるのは 本人のためにも 
ならず、それに付き合う他人は疲れる。
と言うても 聞き入れないのだから 会がつぶれて 
彼にとっては良かった。まして、読むドイツ語が 
最後の半年は 「紙飛行機の折り方」で、絵を見たら 
分かるものを なんで 読まねばならんのか、なんで 
重箱の隅をつつくような質問をするのか 理解できなかった。
  


Posted by jtw at 09:03Comments(0)