2020年10月03日
嶋太夫さん(文楽太夫)追悼記事
豊竹嶋太夫さんは88歳で 8月20日に亡くなり
ました。
若太夫さんの内弟子でした。若太夫さんは戦前
から昭和20年代の名人でした。若さんのテープ
を持っていますが 違法に録音したもののよう
でして、雑音が ひどい「合邦」です。三味線
は勝太郎さん。若さんの「合邦」はナマで聞く
と すさまじい迫力だったそうです。
嶋さんが 本公演で合邦を語ったことがない
としても 巡業で語っておられた かもしれ
ません。
亡くなった伊達太夫さんは 二十年以上前に
橋本市での巡業で合邦を語りました。三味線は
団六さん(後に寛治を襲名)。粉河の叔父が
聞きに行ってくれて「後味の良い浄瑠璃やっ
た」と言うておりました。
嶋さんは 一度 退座され、13年後に複座さ
れた。この10年の間に 呂茂太夫さん・相子
太夫さんも退座されたが この方々が複座す
る見込みは あるのか ないのか?退座は
残念でならない。
以下は 日本経済新聞2020年9月25日(金)
夕刊、「追想録」から抜粋:
舞台上の見台にすがり、全身全霊を傾けて語る
「筒いっぱい」の芸。義太夫節の音楽的な
魅力を堪能させてくれた。
戦後の文楽界は近代屈指の名人、山城少掾が
確立した理知的な語りが主流となり、嶋太夫
さんのような芸風は評価されにくかった。だが
2015年には人間国宝に選ばれたのは 確かな
実力の証左だ。
2016年に惜しまれつつ現役を引退。後進の
指導に心血を注いだ。(小国由美子 記者)
Posted by jtw at 08:41│Comments(0)
│文楽
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