2010年12月18日

昔施設に居た人達へ提案された賠償は2度目の侮辱inドイツ

1950年代~70年代半ばまで施設で虐待されて人達に
賠償するという提案が「施設で養育された人達の
ための円卓会議」でなされた。この結果について 
犠牲者の代表者が「手の中の雀は屋根の上の鳩より 
ましだ」という諺を思い出すと 落胆して語った。

ファシズムのやり方を踏襲した養育方法を 西ドイツ
の施設がとったために犠牲になった人々のうち、
今も生きている犠牲者に 政府、州、キリスト教会が 
1億2000万ユーロを補償するという取り決めがなされた。
しばしば何年にも渡った苦痛と性的虐待と強制労働は 
法治国家 西ドイツの信用を失墜させるものであった。
「教育困難」とされた子どもや青年が70年代まで 
国や教会の施設で 自尊心を傷つけられ、暴行を受け、
もっと悪いことをされていても それに耐える
しかなかった。
★ これは法律を意識していなかったために 
不正行為が追及されなかったからである。★
当時、「養育放棄された戦後の子ども」と呼ばれた
人々は ひたすら発展を目指す経済社会にとって
厄介な重荷でしかなかった。
放って置かれたのは 子供たちだけでは なかった。
責任を負うべき 施設職員、施設の園長、国の官僚、
聖職者もまた 放って置かれた。西ドイツは 民主
主義の足りない、未成熟な法治国家だった。円卓
会議の議長である 政治家 Volmerがそう述べた
のも もっともだ。

犠牲者は 降りかかった不法を 社会に認めさせる
ことを要求し、苦難に満ちた子ども時代の補償として 
僅かな金額を要求したが その結果は 法律的に 
個々の事案を検証することも ないままに終わった。
これは 犠牲者に 再びトラウマを負わせないため
だと 表向きは言われている。しかし そうではない。
ドイツの司法と犯罪人達と犯罪機関の責任を問う
ことなしに 終わったのだ。

犠牲者の中には 円卓会議の時に 重圧を受けた
ため 自尊心を再び傷つけられ、脅されていると
感じた人もいた。
円卓会議に参加した犠牲者の代表者は 少数であって、
彼らは 犯罪機関(施設)から来ている専門家の
優位性を 会議の席で実感した。犠牲者は不平等な
話し合いの席から 何も持たないで 帰りたくは
なかった。だから 不満足な結果に同意した。
手の中の雀は 屋根の上の鳩よりもいい と諺に
言うではないか。
しかし たとえば 性的虐待を話し合う円卓会議では 
そうは言っていられない。
下記サイトから:
http://www.tagesschau.de/kommentar/heimkinder106.html



  


Posted by jtw at 20:00Comments(0)