2008年11月15日

ドイツ人とチベット/産経新聞 連載「ベルリン物語」

2008年11月14日から 抜粋:

ドイツ人とチベット

 ベルリンの東洋美術館で ベルリン自由大学の
ヨルク・アイヒラー教授主宰の「チベット写真展」があった。
教授が2004年と06年にチベットを訪問した際に撮影し
たスライド写真約130枚が披露された。

 ドイツではチベットヘの関心が非常に強く、
ダライ・ラマ14世が5月中旬にベルリンで演説した際に
約2万5000人が押し寄せたほどだ。
 ドイツ人がチベットになぜこれほど関心を寄せるのか、
いつも不思議でならなかったが、写真展に来てい
たある女性建築家の話を聞いて、少し納得した。
彼女いわく
「ナチスの″過去″をもつドイツ人は戦後、暴力に極端に
敏感となった。仏教は平和のシンボルとして映っている。」

 メルケル首相のチベット政策にも力がこもっており、ダライ
・ラマが昨秋、ベルリンを訪問した際には中国の意向を無視し
てドイツ首相として初めて会談した。独裁国家の旧東ドイツで
育ち、人権侵害を容赦できないという首相の独自の哲学に基づ
家の話を聞いくことは言うまでもないだろう。

ナチスと旧東独--.ドイツではチベット問題を語るときですら
2つの″過去″を抜きにできないのである。 (黒沢潤)



Posted by jtw at 19:08│Comments(0)
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