2008年04月04日

統合失調症もと患者は語る(3,4)「鼠と狼に襲われる」

統合失調症の患者は二つの別の人格をもつと言う 
意見もあるが、少なくとも 私の場合は そうではなかった。
大きな不安をもつ人の多くが 精神病になるわけでもないから 
不安が統合失調症を 引き起こすのでもない。
 
鼠が 犬ほどの大きさでないということは 知っていたし、
オスロに狼がいないのも知っていた。しかし知識が不安を
取り除くわけではなかった。

私の場合 病気の理由を理解するように ならなければ
なかった。「船長」の声が私の期待通りにいかない不安を
示していることを 私は理解しなければならなかった。

他の人が聞こえない声が 聞こえるというのが 統合失調症
の徴候なのかというと、そうではない。
話しかけられもせず、何もしないで 長い間 一人でいると、
どんな人でも 声が聞こえてくる。
しかし 声が始終 聞こえたり、眠れなかったり、仕事が
できなかったり、その声を誰かが人をコントロールするのに
使っていると思うようになると、それは深刻な問題だ。

統合失調症は明確な病像をもたない病気なので、どういう
徴候が現れたら 統合失調症が疑われるか ということは 
いえない。
診断に3-6ヶ月かかる。
精神病の人にとって 思いつきは 情動・感情よりも 
大きい役割を果たしている。ただ飛行機が怖いと思う人は 
実際に 自分の飛行機が落ちるとは思わない。統合失調症
の人は 実際に飛行機が墜落すると思い込んでいる。

人格障害の人は 私の外来へよく来る。精神病や
統合失調症の人はそれほど多くは来ない。
不安を持つ人や 境界症候群の人は 精神病ではないが、
孤独感や苦痛はたいへん大きい。
若い人も たくさん外来へ来る。十代の人は自分が誰なのか、
どういう人になりたいのか、しばしば 分かっていない。
自分は存在しなくて ただ夢見ているだけなのかという 
感情をもつと、これは重大なことだ。

ノルウェイでは ケースワーカーも精神病の患者を手助けする。
ケースワーカーは仕事を探したり、アパートを探したりるるのを
手伝う。医師と心理士とケースワーカーの協力が 私を助けて
くれた。治療だけでは うまくいかない。

カンナビスが精神病を引き起こす例もある。LSD,アンフェタミン、
エクスタシーはもっと危険だ。

大半の患者は 14-30歳の間に発症している。危険因子は何か?
トラウマは 危険因子になる。例えば 離婚を経験した
子どもや孤児が耐えてきたトラウマである。
二つの生活領域に分裂してしまって 十代の子どもには 
どちらに ついていいか 決められないことが 危険因子になる。
孤独なアウトローも危険である。
下記サイトから:
http://sz-magazin.sueddeutsche.de/index.php?id=110&tx_ttnews[sViewPointer]=2&tx_ttnews[catSelection]=6&tx_ttnews[showUid]=390&tx_ttnews[tt_news]=4848&cHash=d8bc0ee5b6
(5に続く)



Posted by jtw at 15:34│Comments(0)
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