2007年12月17日

蓮月尼 (3)米国歓迎した冷静な心

朝日新聞2007年12月15日

 幕末、アメリカの黒船がやってきたとき、日本人は大騒ぎした。
「強大なアメリカに襲われる。なんとかしてやっつけろ」。みん
な、そう思った。一体、日本人は一方的に流されやすい。国中がす
こぶる感情的になり、猫もしゃくしも「攘夷(じょうい)」を叫んだ。

 しかし、これを冷静に見つめ、アメリカの来航が「将来の日本に
とって必ずしも悪いことではない」と予見したスーパーおばさん
がいた。それが蓮月尼(れんげつに)であった。

 京都に住む60過ぎのこの尼さんは別に外国事情に詳しいわけでは
なかった。ただ、土をこねて焼き物を作り、それが大評判を呼んで
いた。その偽物が出回るほどの人ではあった。面白いことに、自分
の偽作を作っている人を見つけても怒らない。「私の焼き物で食べ
られる人が増えるなら」と、かえって偽物を作る人を援助していた
 (『蓮月尼全集』)。
 こういう無欲な人だったから、日本中がアメリカに目を怒らせて
いても「アメリカは来ただけで、まだ何も悪いことをしていない」
という冷静な目がもてたらしい。

 蓮月尼は、次のような和歌を詠んでいる。「ふりくとも 春のあ
めりか 閑かにて 世のうるおいに ならんとすらん」

 今の言葉にすれば「アメリカがやって来た。でも春雨のようにの
どか。かえって世の潤いになるのでは」という意味になる。
   (茨城大准教授・磯田道史)

★上記の和歌にでてくる 「ふりくとも」を 古語辞典(一冊しか
持ってない)で引いても みつからないので ネットで 検索したら
「貞心と千代と蓮月」という有難いサイトに いきあたり ました。
下記です:
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/teisin_04.htm



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