2011年03月31日

原発へ警告「みえない雲」著者グードルン・パウゼヴァングの寄稿

2011年3月17日発の下記 
Gudrun Pausewang さんの寄稿から抜粋:
http://www.spiegel.de/kultur/gesellschaft/0,1518,751287,00.html
(このSpiegel誌の英語版に出た同じ記事が 日本語で
下記ブログにカキコミされています。「みえない雲」
小学館文庫の訳者 高田ゆみ子さんのコメントも 
同ブログで読めます:
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-aa84.html

小説「みえない雲」は 日本で起きた悲劇と同じような
原子炉大惨事が ドイツで起きたという仮想を 扱っている。
貧しい境遇で育ったので 7~8歳の頃に この世は
完全無欠でないということを知っていた。
1928年にチェコスロバキアのズデーデン地方に生まれた。
1938年10月にヒットラーはこの地方を帝国に入れた。
10歳から17歳まで ナチ青少年組織に入っていた。最後
までヒットラーを信頼していた。
戦争が終わって何年も経ってから やっと分かった
ことは、4年ごとに投票する前に 政治に関して好みが
どうかと言うことを考えるのは 不充分だと いう
ことだった。
ある程度、機能している民主的システムの市民として
 自分の国の政治に常に連帯責任を負っていると 感じ、
同国人の無事についても 連帯責任を感じていると 
いうことが 大事なのだ。
ナチの時代が終わった後で 子どもが親に「なぜ反対
しなかったの?」と問われたように 私の孫や曾孫に
訊かれたくない。私の 僅かな可能性の範囲内で 
時代のもつ危険に反対して 何かしようと努力したと 
孫に答えたい。

私の著作の主なテーマは:
二度と戦争をしては ならない。
二度と独裁制をもっては ならない。
南米の悲惨な状況(50年~60年代に南米で12年
以上暮らした)。
自然保護。

ドイツの国境から1500キロ 離れたチェルノブイリと
いう人口密度の低い場所で 起きたのではなく、ドイツ
国内で チェルノブイリ事故と同じ事故が 起きて
居たらどうなっているだろうか?
私は警告しないといけないと思った。当時、既に大人
向けの本はあったから 14~18歳くらいの青少年の
ための(子ども向けではない!)反核警告小説を
書くことにした。青少年も 知る権利があるから。

この小説で 原子炉事故について 政治家も誰も 
準備ができていなかった。メディアの流す情報は 
互いに矛盾していた。これは今、日本で起きている
ことと 部分的に 同じだ。

Holger Stormは「原子の危険」について いくつか
の本を書いた。

私は 事故の社会的な結果についても書くことを
忘れなかった。大惨事のあとで 民族は二つのグループ
に分かれる:難を逃れた人と 犠牲になった人の
グループである。
このことを 戦後の時期を経験した 老人は知っている。

実用書(解説書)でなくて 小説として警告する
ことを選んだのは 人は 理屈でなく、情緒によって
動くからだ。

この小説で14歳の少女だけが 一家の中で生き延びた。
しかし ひょっとすると 彼女は 重度の障碍をもつ
子供達を 生むかも知れない。
原子力利用を支持する人々は 事故について責任を
負うと 明言できるのだろうか?







Posted by jtw at 14:38│Comments(0)
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