2010年08月29日

絶望の島ハイチ

2010年7月12日発:
大地震から半年たった。瓦礫の処分は進んでいる。
住民の心の損傷は残る。
数十万人が今も 仮の住まいにいて、近づくハリケーン
の季節を前に心配は絶えない。
Thomas Oriental(52歳)は工芸品を作り カーニバル
の仮面を作る職人だ。彼の作業場兼売店は 無傷
だったが 同じ通りにある他の作業場の多くは崩壊し、
親しい職人・仮面製作者の多くが下敷きになって
亡くなった。
トーマスの母親は怪我はなかったが、ショックで
入院し 2日後に病院で死んだ。妻も外傷は無かったのに
母親の葬儀の日に妻も突然死んだ。可愛がっていた姪も 
死んだという知らせが 母の葬儀の日に 首都から届いた。
彼は 今も酒なしで 眠れない。寝ても2時間したら 
目が覚める。
彼の町 Jacmelは 南ハイチにあり、人口4万人。
そのうち約500人が地震で死んだ。
ハイチ全土で約150万人が家を失い、その大半が今も 
まともな屋根の下で暮らしていない。

再建のための百億ドルの支援は まだ実行されて
いない。国際援助組織からの支援物資も ごく一部
しか配布されていない。中央政府の建物15のうち13は
崩壊した。公務員6万人のうち 生き残ったのは1/3だ。
土地登記局の書類も 壊滅的被害をうけた。デジタル化
された 土地登記簿のうち 破損を免れたのは 少ない。

首都に仮設テント村が今もある。
再建は 無計画に 混沌の中で進んでいる。最も質の
悪い 安い資材を使って 建築されている。

トーマスは去年のカーニバル仮面を作るための借金が
残っている。そのうえ 今年のカーニバルは中止
されたから 仮面は売れない。

観光客はハイチを避けているから あてに していた
金は ハイチに入らない。
60年代に 彼の町にも 数万人の観光客が北米や
欧州から来た。
ハイチはカリブ海の夢の観光地だった。
数十年の 暴力的支配・乱脈経営・無能力・汚職が 
この国を後退させた。

トーマスの住む町 Jacmelの緩やかな丘は 禿山だ。
農民はジャガイモを段々畑に植え、土地の侵食に
抵抗しているが 道路は 地すべりで しばしば 
閉鎖される。
皆伐による木炭製造が数十年、続き 山は荒れ果てた。
その被害は 大地震の被害を上回る。
下記サイトから:
http://www.faz.net/s/RubCD175863466D41BB9A6A93D460B81174/Doc~E2E4A5CB32794417CA09910667712221A~ATpl~Ecommon~Scontent.html





Posted by jtw at 20:55│Comments(0)
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