2009年05月14日

「もろんど」という木の盆栽

和歌山地方で「モロンド」という木を 学者は
ネズミサシ(ヒノキ科)と呼びます。
鼠の通り道に この葉っぱを置くと 針のような
葉を嫌って 鼠は来ないというので こういう名前に
なった、とネットにでています。

近所の一人暮らしのおばあさんが入院し、彼女の
育てていた盆栽や 鉢植えの花は 町内の散髪屋さん
が水遣りをしていましたが、退院しても 息子さんに
引き取られるので 盆栽も処分してほしいと 言われ
盆栽を 丘の向こうの おじいさんに 引き取ってもらい
ました。
変った盆栽だと思っていたけれど 何の木だか分からない
まま 持っていくと、おじいさんは 「これはモロンドと言うて
昔は近くの山にも あったが、今はもう見かけない。
20メーターにもなる木で、葉っぱが 針のようで ちょうど
鼠に引っかかれるような感じなんで 別名を
「鼠ひき」という」
と教えてくれました。
「鼠サシ」が ここらでは「鼠ヒキ」になったようです。
今では 珍しい木だと 大変喜んでくれました。

町内に散髪屋さんが あるから 盆栽もゴミにならずに
済んだので もう何年か経つと 町内にお店は ほとんど
無くなり、無人の家や空き地ばかりになり、盆栽も
粗大ゴミになります。

盆栽の家の斜向いは 解体され空き地です。空き地の
際に「リドウ」と言うて 幅3尺なので「三尺道」とも
言うた 国有地の細長い土地が 続いています。
この家があった時は 国有地は国が管理するものや
などと言うことも無く、この家の住人が 細い国有地の
草刈・ごみ拾いもしてくれていました。
家は無くなり、空き地になり リドウは 市役所の道路管理課が
何年か一度 近所の人に 催促された時に 草刈など
に来ています。
散髪には 1500円の遠くのチェーン店へ行くことになり
町内の寄り合い所としての 床屋さんは 消えます。
人口は減り、地域社会は崩壊し、役所の仕事は増えます。

 



Posted by jtw at 18:08│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。