2008年12月29日

「鳥の仏教」中沢新一著

新潮社。1400円。2008年刊。
チベット語から翻訳された仏典。ヒマラヤの鳥たちが
語る教え。
チベット人の仏教徒によって、大乗仏教を経典を模して
書かれた、インド原典のない「偽経典」とされる。
観音菩薩は カッコウに姿を変え 説法する。

1959年に中国はチベットに侵攻し、多くのチベット人は
祖国を脱出した。その多くはインドに亡命した。そこで
彼らは「鳥の仏教」と初めて出会う。亡命チベット人は 
自分たちの精神を育ててきた仏教文化の伝統が崩れて
いくことを、恐れていた。そこで 彼らには異国で
仏教文化による若い世代の教育を守り育てていく
ことが、重大な課題になった。
それで再発見されたのが「鳥の仏教」だった.
この本の中には、仏教思想のエッセンスがほぼ 
満遍なくもうらされており、しかもその思想を鳥たちが 
やさしく語りだしてみせる。

祖国脱出の翌年 1960年には 早くも ダージリン
のチベット学校の教師ラマ・ノルブの発願によって 
1903年の復刻版の再版が出版された。

この本のあとがきに メシアンという作曲家のことが
書かれています。「鳥は地上で最高の音楽家である」
と彼は語ったそうです。
Olivier Messiaenについて このブログで2008年12月7日
に偶然 かきました。何もしらないで、ただ欧州の鳥の声を 
ネットで聞けるという理由で メシアンについての記事の
抜粋をカキコミしたのですが、後で当地の音楽家が 
欧州では よく知られている大作曲家だと教えてくれました。



Posted by jtw at 09:06│Comments(0)
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