2009年07月15日

娼館も経済危機にinドイツ

客は来ない。来たとしても値切る。ヒモにも娼婦
にも危機は来た。サンドラ(31歳)は娼婦。需要は
減った。ドイツの車が売れないのと同じように。

ドイツの性労働者が加入する労働組合Verdiによると、
この業界の年間所得は145億ユーロ。
ドイツ全土の電気工の稼ぎの3倍にあたる。
サンドラは美容師だった頃、月収800ユーロだった。最初
は娼館で働き、その後 街娼になった。1晩に
2人の客がくる。2人合わせて100ユーロになる。今年
になって常連は来なくなり、客は20%減った。

エアランゲン-ニュルンベルク大学の経済学者 Richard Reichel
は「売春~誤認された経済要素」という研究の著者。
彼によると、経済危機以前と比べ、この業界の
売り上げは10%減った。娼館の主の中には
30%減ったと言う人もいる。

需要は減り、競争は激しくなり、女性の賃金は減る。
ルーマニアとブルガリアがEUに加盟し、これらの国から
数千の女性が 自発的に 強制的に ドイツに来た。
それ以前はハンガリーから ドイツの業界に来た。
ベルリンの麻薬地帯 Schoeneberg地区では100メーター
おきに若い南東ヨーロッパの女性が並ぶ。
麻薬の金のために売春する人も多い。

経済危機以後、40歳代のドイツ人女性も
この地区に参入した。「貧困売春」である。

ドイツ全土に15万人のフルタイムの娼婦がいると 
上記のReichelは見積もっている。そのうち1/3は
比較的 稼ぎがいい。約2万人の女性は月2000ユーロ
以上 稼ぐ。
サンドラの月収は1300~1600ユーロ。
収入から税金を払わなければ ならない。
ベルリンの性労働者のうち4000人くらいは 税を払う。
さらに 少なくとも2000人の女性がベルリンで
稼いでいる。
ベルリンの女性の半分は 800の娼館で働き、あと
半分は広告を出したり、街に出て働く。

街娼を支援する組織は 女性を暴力から守る
ために ハンガリー語、ルーマニア語、ブルガリア語の通訳
と一緒に活動している。

南東ヨーロッパ出身の街娼は ヒモと共に仕事を
している人が多い。
ジェシカ(29歳)はヒモなしで営業している。
14歳の時、継父が嫌で 家出し、施設に入り、
そこも出て 駅で寝泊りし、90年代の終わりに 
ヘロインをやり過ぎた。気道切開したときの傷がある。

有名な娼館 Artemisでは女性は一日に2~15人
の客をとる。90人の娼婦が働いている。入場料は 
飲食とサウナ込みで80ユーロ。30分のセックスが60ユーロ。
ここには 保安係・コック・事務員が40人以上いる。
経済危機で売り上げは10% おちた。
ジェシカは50ユーロで 客をとる。客が10ユーロ 
上乗せすると駐車場でなく、ペンションに行く。
下記サイトから:
http://www.zeit.de/online/2009/26/rotes-licht-truebe-zeiten
  


Posted by jtw at 14:35Comments(0)