2009年06月23日

ドイツ語系クレオール語inパプアニューギニア

南太平洋のパプアニューギニアにドイツ人植民者が住み
着いて約100年経つ。
この島に 世界唯一のドイツ語に基づくクレオール語
(混交言語)「ウンザードイチ」(我らがドイツ語」が今も残っている。
この言語の文法はドイツ語と違う。たとえば、疑問詞は
文の最後に来る。複数形は無く、「すべての」という言葉を
付ければ済む。所有格は fi を付ける。
ウンザードイチに書き言葉は無い。

日本に住むアメリカ人言語学者Craig Volkerは70年代
の終わりに この言語を調査し始めた。当時 Volkerは
オーストラリアでドイツ語教員をしていた。彼の生徒の一人が
風変わりなドイツ語を話した。彼女はパプアニューギニアのラバウル
出身だった。
この言語を話す100人ほどの人の ほとんどは 今では
60歳以上になっている。若い話し手は ウンザードイチを
聞いて理解できるが、もう正確には話せない。

演劇家のMarc Pohlは新聞でこの言語について読んだ。
彼の情報源はVolkerだった。
VolkerとPohlはベルリンで会って、この言語の歴史と 
この言語を話す人々について 舞台で説明するという
ことを 思いつき チームを作って 実行に移した。
去年の秋にPohlと 舞台監督をするNicola Ungerは 
パプアニューギニアへ行き、人々に会い、情報・写真・テープ
録音を収集した。

この作品の中心人物は 解説者 Yvette Coetzeeだ。
彼女の家族はナミビア出身で ドイツ系。
彼女は8年前からドイツに住み、ドイツのかつての植民地に
ついて ドイツ人が あまりに知らないことに 大変 
驚いている。ナミビアには ドイツ学校があるし、ナミビアの歴史
の特徴は ドイツの植民地主義と その結果が残っている
ということだ。
パプアニューギニアが1884年から1914年までドイツ保護領だった
ことは あまり知られていない。
パプアニューギニアのドイツ系住民はクリスマスなどの伝統を
大切にしている。

この作品の初演は9月中旬にベルリンで予定されている。
ウンザードイチを話すHarry Hoerlerは初演を機会に 
パプアニューギニアからドイツに来る。日本に住む言語学者 
Craig Volkerも来る。
Pohlと彼のチームは この作品をパプアニューギニアでも
上演したいが カネが無く、テレビで作品を現地で放映
するしかない。
下記サイトから:
http://www.dw-world.de/dw/article/0,,4264200,00.html

  


Posted by jtw at 08:34Comments(2)