2006年09月04日

歓喜の歌第九

かつて今の両国国技館の完成を祝って5千人の「第九」合唱が行われたそうですが,
5千人のアマデュアの方はどうやって暗記したのでしょう。多くの方はカタカナを振って
覚えようです。しかし,未知の言葉を暗記する苦痛は容易に想像できますし,暗記しないまで
も 一定のスピードで読んでいくのは熟練がいりますね。そこで記録によれば
「桜茶ヤ雨宮」という料亭の娘さんで上智大学の独文2年生の学生さんだった
吉井実奈子さんが,お母さんのために日本語の単語を当てはめてあげた のだそうです。
合唱団の中でも人気だった向島の芸者さんたちは,皆さんこの「翻訳」で歌った
のだとのこと。少しだけご紹介しましょう。

風呂出で 詩へ寝る 月照る(げってる) 紛健(ふんけん)、とホテル 会う末 理事生む(うむ)

読んでいくと,歌詞を忘れたお母きんに「ほら次は月が輝でしょ。次はホテルの会う末」
というように懸命に教えでいる姿が浮かびます。また「風呂・出で・詩へ・寝る"」と単語ごとに
―気に読めるようになっています。
以下の歌詞には,振り仮名はつけませんので皆さんも流んでみてください。

風呂出で 詩へ寝る 月照る 紛健 とホテル 会う末 理事うむ

台寝 津会う べル ビン出ん 微出る バス出い 詣で 酒取れん 下駄いると
ああ冷麺 支援 ベル出ん 鰤(ブリ)うでる 暴太ん 残ふてる 風流げる 場いると

原文:
 An die Freude

Freude, scho"ner G"otterfunken,
Tochter aus Elysium,
(中略)
Deine Zauber binden wieder,
Was die Mode streng geteilt,
alle Menschen werden Br"uder,
Wo dein sanfter Flu"gel weilt.

以上 NHKドイツ語テキスト ずいぶん前のから 引用。
著者: 山路朝彦 先生。

  


Posted by jtw at 08:47Comments(2)